「あと何回?」のごはん会

令和初日となった5月1日。

うれしいお客さまがありました。

初孫の岳に会いに来てくれたついでに、わがやで久々にごはん会。

最近、教室や個人レッスン、動物病院の賄いなど色々なところでごはんを提供している私ですが、自分の今作りたいものを気のむくままに考えて作るごはん会は本当に久しぶり。いつも以上にワクワクしながら、おしゃべりも楽しめるよう気軽な取り分け式の食卓を準備してみました。

ごはん会メニュー

新緑のばらずし

桜も終わり、一斉に街が瑞々しい若葉に覆われつつあるこの風景を、食卓に写し取ってみたくてこんなばらずしを作りました。

ちょうど、食材も今、新緑色が真っ盛り。グリーンアスパラに絹さや、スナップえんどう、そしてそら豆。ちょうど豆たちの盛りでもありますね。

じゃがいものひじきペーストと明太子和え

新じゃがを使って何かを・・・と考えたら、煮物ではばらずしの具材と甘辛味が重なるし、ポテトサラダでは酸味がこれまた重なるし。

それで、同じ甘辛でもひじきの香りで少し違うテイストにもなり、明太子でぴりりと味が引き締まる和え物にしました。

ひじきペーストは、通常のひじき煮ににんにくやたまねぎ、ドライトマトなど味にコクの出るものを足してブレンダーでペースト状にしたもの。カナッペにレバーペーストのように塗って食べるのもオススメです。

真鯛の昆布〆 きゅうりソース

わがやの簡単定番、真鯛の昆布〆。前日あるいは前々日から仕込んでおけば,当日はソースを用意するだけ。しかも、ソースさえ変えれば、バリエーションは無限で年中登場できる便利メニューです。

パクチー揚げワンタン マンゴーソース添え

これもわがやの定番、ちょいアジア風揚げワンタンです。

いつもはどっさりのパクチーを丸ごと刻んで入れるのですが、今回は子どもちゃんも参加なので、少しアレンジ。イエローカレーペーストやケチャップマニスなどの調味料も心持ち控えめに。

添えたマンゴーソースは、タイのお土産にいただいたマンゴージャムにナンプラーやライム果汁などを加えたもの。ジャムはソースや煮込みにほんと、重宝します。

厚揚げといりこのアジアンサラダ

このレシピは、いりこレシピ本、その名も「瀬戸内『やまくに』のいりこで毎日おかず」の中のひとつ。

私の大好きなやまくにさんのいりこを使ったレシピばかりが60種類以上。ワタナベマキさんのシンプルかつオシャレなお料理はどれも必ず作りたくなる、超オススメの1冊です。

今回は、新緑の食卓のイメージに合わせて赤い色が目につかないように、赤いミニトマトを青トマトに変えました。

白花豆と色々野菜の味噌スープ

前日に茹でておいた白花豆。

味噌スープという名前ですが、お味噌はほんの味つけ程度。

いりこと、セロリや玉ねぎ、にんじん、キャベツといった香味野菜と、それにお豆をコトコト煮込むことで、それぞれから出てくるうま味が重なって生まれるそれだけで滋味深い味わいのスープですが、さらに深みを付け足す、くらいの意味でお味噌を煮込みの段階と仕上げとに分けて少量ずつ加えました。

作ったその日よりも翌日あるいは翌々日の方が断然美味しくなっていますよ。

実は、この1,2年私の心の中に「あと何回?」シリーズというのが定着してしまいまして、私がこの世を去るまでに「あと何回このシーンが味わえるか」という、それはもう、マイナス思考なシリーズなのです。

「あと何回遠く離れている息子と会えるのだろう」

「あと何回、この美しい桜を眺めることができるのだろう」

年に一度きりしかお目にかかれないシーンだと余計に残りの回数がリアルに心に迫ってきて、切なく寂しくなるのですが、同時にその1回1回がとても貴重なかけがえのない時間なのだと悟ることもできるのです。

今回やって来てくれたふたりの友人も、前の職場がなければ出会えなかった奇跡的な組み合わせ。一回りも二回り以上も年の離れた大切な友とのこのごはん会も「あと何回?」シリーズで数えると決して無限ではありません。でもね、回数は意識して増やすことはできるから、20回を40回にさらには60回にできるだけたくさん増やしていければいい、いや増やしていこう、と令和の初日にかこつけて想いも新たにした次第です。

さて、女子会のもうひとつの楽しみは、食後のお茶とお土産のやりとり。

香川土産の醤油カステラにドイツ土産のハンドメイドクッキー、そして、大阪には売っていないTWGのティーバッグ。

私からのお土産は、お寿司とひじきペーストのお裾分けとやまくにのいりこ。

いつもいつも、実用的過ぎるお土産です・・・。

夏休みにも今度は子どもちゃんたちも全員集合で集まれますように・・・

投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。