きんぴらごぼう七変化〜地味滋味おかず御三家#1〜
どこのおうちでも一度は、いえ、数え切れないくらい作られているきんぴらごぼう。
どこのおうちでも、ごくごくありふれたふだんのおかずとして。
おべんとうのお助けおかずとして。
そしてもちろん、風味豊かな地味滋味おかずとして。
わがやでは、きんぴらごぼうとひじき煮(これはわたしのソウルフードのひとつ)、そして切り干し大根が地味滋味おかずの御三家です。
いすれも、簡単に作れて、でも奥が深くて、風味豊かでアレンジが効くおかず。
「茶色いおかず」「地味なおかず」と敬遠されがちですが、その茶色や黒い色こそがおいしさの原点だし、「映え」のポイントでもあるんです。
今回は、そんな地味滋味御三家のひとつ、きんぴらごぼうの七変化を「サクッとレシピ」つきでご紹介します。
目次
基本のきんぴらごぼうレシピ
名前はきんぴらごぼうですが、にんじんとペアにして作ることがほとんどです。
たとえば、おべんとうに入れる際に他ににんじんを使ったおかずがある場合は、ごぼうだけにしますが、今回のように少し多めに作っておいてアレンジを楽しむ、というような場合にはどちらも使います。
ベースは、ごぼうとにんじん以外には何も具材を入れずにできるだけシンプルにしておきます。
ごぼうの割合が多いのか逆ににんじんのほうが多いのか、それはその時の気分や材料の量で決まります笑
《材料》
- ごぼう
- にんじん
- 合わせ調味料:しょうゆとみりんを同量(たとえば、大さじ2ずつを予め合わせておく)
- 炒め用の油:適量
- ごま油:少量
《作り方》
- ごぼうは千切りにして水にさらす
- にんじんは千切りまたはスライサーで千切りにする
- フライパンに炒め油を熱し、水気を切ったごぼう、にんじんを順に加えて炒め合わせる
- 全体に油が馴染んだら合わせ調味料を加える(回しかけて、フライパンの底に少し溜まるくらいの量)
- 汁けがなくなるまで炒め煮し、仕上げに鍋肌からごま油をたらして香りをつけて火を止める
ベースとなるきんぴらごぼう。ごまも鷹の爪も加えません。
そして、調味料は、おしょうゆとみりんのみ。酒もお砂糖も加えません。
もし、もう少し薄味がお好みなら、水を足してください。
鷹の爪やごまが欲しい場合には、今回使う分だけに加えます。
七変化きんぴらアレンジ
#1 プラスワンきんぴら
炒めるときに、あるいは最後の仕上げの段階で、または作り直す際に異素材を加えてよりバリエーションに富んだ味にします。
ミックスナッツとすりごま入りきんぴら
炒め上げる最後に、ミックスナッツを少し砕いて、あるいはそのままで加えます。 すりゴマは、白でも黒でもよく合います。
黒ごまを使うと全体に色が引き締まりますよ。
ナッツといかくん(またはさきいか)入りきんぴら
おつまみコーナーに売っているイカの燻製やさきいかをごぼうやにんじんと同じくらいの長さに切って、一緒に炒めます。
少し柔らかくしたい場合には、炒める際の合わせ調味料に水か酒を加えてください。
いかの旨味が加わって、より酒肴としてお箸が進みます。
きんぴらごぼうとニラの炒めもの
おべんとうのおかずや小さな副菜をもうひとつ、というときにきんぴらごぼうがあれば重宝するプラスワンです。
ざくぎりにしたにらをごま油で炒め、きんぴらごぼうを混ぜ合わせて半摺りした白ごまを混ぜたら出来上がり。
ニラの他に、ねぎやせり、夏ならゴーヤなども似合います。
#2 炒り豆腐アレンジ
できあがったきんぴらのアレンジおかずです。
木綿豆腐を手で揉んで潰し、フライパンで乾煎り。
水気が飛んできたら、ごま油少々ときんぴらを加えて、炒めます。
お好みで季節の野菜をちょい足しして。
写真は、さやえんどうの千切り。白と茶色、オレンジに緑が映えておいしそう。そして見るからに滋養がありそうに見えますよね。
それはまさにこの茶色いおかずのおかげ。
きんぴらに味がついているので追加の調味料はお好みの味を見ながら。
足す場合にはしょうゆ+みりんで。
ゆず胡椒や練り辛子を隠し味にしても大人の味。
これを溶き卵で閉じてもいいし、オムレツの具にしてもおいしいです。
#3 サラダアレンジ
ちょっとすみません。これは、おべんとうに入れる時ようだったのでこんなに少し。
でも、基本はこんな感じ。水菜をきんぴらと同じくらいの長さにカットして大きめのボウルに入れ、きんぴらごぼうとオリーブオイル(お好みでえごま油や菜種油、ごま油でも)を加えてふんわり混ぜながら全体をオイルでコーティングさせます。
きんぴらに味がついているので、オイルだけでも十分。
メインのおかずの味とその濃さに合わせて、ドレッシングにビネガーを足したり、しょうゆを足したりしてください。
生野菜なのにちゃんとした副菜感もあるので、生野菜を少し入れたいおべんとうのおかずにもとても便利です。
#4 鶏むね肉のロール蒸しアレンジ
メインになるおかずです。
おもてなしおかずやお節の一品、いつものおべんとうにもぜひどうぞ。
鶏むね肉ほぼ1枚分を一枚に開いて片栗粉を振り、きんぴらごぼうを平たく敷いて、端からくるくると巻いていきます。
ガーゼでしっかりと包んで、せいろか蒸し器へ。20〜30分ほど蒸し、さめてから切り分けます。
ささみで作るとミニバージョンが出来上がります。
#5 かき揚げアレンジ
水菜や春菊などと一緒にかき揚げに。
写真は、にんじん葉と黒千石大豆のゆでたものと。
味のついているきんぴらは、かき揚げにも優しい味をつけてくれるので便利です。
#6 ばらずしアレンジ
ちょっとおすしが食べたいときに、作り置いたすし飯の具材になるものがあると便利です。
写真は、きんぴらごぼうとほぐした焼鮭と黒ごま。
ちょっとこれだけでは寂しいときは、細切りにした大葉を天盛りにしたり、ハーブを混ぜたり、蒸しずしにしたりしてみましょう。
今からの季節ならすし酢に柚子の果汁を混ぜ込んで皮の千切りを散らすだけでもよそゆきの味になりますよ。
#7 卵巾着の含め煮
薄揚げの中に生卵を落として口を閉じ、おだしでことことと炊いて仕上げる巾着煮。
その巾着の中に、きんぴらごぼうも入れてしまいます。
左側は、ほうれん草も一緒に。 右側の写真は、どどんときんぴらを多めに入れたさもないおかず編。
きんぴらからも味が染み出すので、おだしの味付けは心持ち薄めに。
逆に、きつねうどんのお揚げさんくらい濃い目に炊いて、お酒のあてにするのも楽しいです。
#8 ミートローフアレンジ
七変化の番外編。 最後までもし余ったきんぴらがあるならぜひミートローフやハンバーグのたねに混ぜてみてくださいね。
わがやのミートローフは、お肉より野菜のほうが多いくらい。
いつも冷蔵庫の残り物をフードプロセッサーですべてみじん切りにして加えます。
とくに和風ミートローフの具材の1つとして入れて美味しいのがきんぴらです。
この写真は小さい子用に作りましたが、みじん切りにせずに長いまま入れても面白い食感です。
これら以外にもまだまだアレンジレシピはありますが、今回はこれくらいで。
投稿者プロフィール
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料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。
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