茶飯事会は、おとなの飯事(ままごと)

「あー、楽しい。おもしろい。絵画教室みたい」

先日、いちごのばらずしの盛りつけをしながら、参加者の方がふとおっしゃったひとことです。

あ〜、そんなひとことを聴きたくてわたしは茶飯事会を開催しているんだったとあらためて思った瞬間でした。

「いちごのばらずしがとてもきれいで作ってみたいと思いました。 お料理はあまりできるほうではありませんが、参加できるでしょうか?」

こんなお問い合わせを頂いていた方からも

「いちごのばらずしは思いつかないようなレシピで、盛り付けるのが楽しかったです。 猫ちゃんにも癒やされてとても充実した一日になりました」

とメールをいただきました。

わたしが作るばらずしはかなりマニアックで、見た目よりも実際に作るとけっこう手間がかかっているし、え、こんなもの入れるの?というものまで入っているし、ふつうのちらし寿司を作るイメージで参加してくださった方はきっと驚かれるかもしれません。

「きれいだけど、これ絶対ひとりでうちでは作れない、作らない。」

そうそう、おうちでは作りたくなったときに作ってくださればいいのです。作れなくったっていいのです。

お料理が得意でも苦手でも、「作ってみたい」という気持ちを開放して楽しんで頂く場所、茶飯事会はそんな場所です。

レシピももちろんお渡しして説明もしてはいますが、おうちでみなさんにきっちり再現してもらいたいというよりもむしろ、いっしょにおすしを作るこのゆったりとした時間そのもの、おすしができあがる過程、今は思いきりとはいきませんが穏やかなおしゃべり・・・

そういうものを心から楽しんでもらいたい。 

忙しい日々の中の安らぎの場になってほしい。

そして

来てよかった〜と帰り際に思ってもらえるひとときであってほしい。

そんな思いで、このおすしの会を開いています。

だから、先にご紹介したようにみなさんに思ってもらえると、「やった、うれしい」とわたしもますます楽しくなります。

実は、コロナ禍の流れの中でわたしはしばらくもがいていました。

いち早くオンラインレッスンを始めては見たものの、誰でも手に入る材料のみ使う、長くても30分以内には終われるレシピにする、視聴者の方とは会話はしない(みなさん、スピーカーオフが多い)、などなど考えていると、だんだん自分がやりたかったこととかけ離れていくようで、茶飯事会の原点を少し見失いそうになっていたのです。

だから、思い切ってオンラインレッスンはやらないことに決めて、少人数の方に来ていただくスタイルを再開したら、心がすうっと軽くなりました。

まずはおすしの会として、これまでのようにたくさんの品数を作るのではなく、ただゆっくりとばらずしだけを作る時間。

座卓の周りに座り込んで、野菜を切ったり型で抜いたり、ワクワクと盛り付けをしているみなさんは、義務ではなくて心から楽しんでお料理をされています。

その様子は、やっぱりおとなのままごと。 見ていて微笑ましい光景です。

「あたたかい光がさしこむお部屋で

おだしやお野菜のやさしい香りの中で

心地の良い音楽をききながら

お料理をする時間はなんて豊かな時間なんだろうと改めて感じさせていただきました」

別の参加者の方のうれしいメッセージです。

ままごとは「飯事」と書くのだと最近になって知りました。 

「茶飯事会」の真ん中にあるのはまさに「飯事」。

やっぱりわたしがしたかったのは、「おとなの飯事」だったんだ。

コロナ禍の中であらためて気づいたこと、これからも茶飯事会のこころを大切に育みながらみなさんをお迎えしようと思います。

茶飯事会が、このわがやの座卓が、みなさんのお忙しい日常の中で、ちょっと一休みして心の荷物をいっときおろせる場所になれますように。

おとなの飯事をして遊べる場所であり続けられますように。

投稿者プロフィール

清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。

ここちよさを紡いでいこう〜茶飯事会だより〜

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