空が広いってステキなこと
先週末の3日間、セミナー開催のお手伝いに福岡県の久留米市に出かけていました。
セミナー開催を主催する友人ののりこさんのお宅にお邪魔するのは実は昨年の秋以来2度目です。
お住まいのある久留米市の善導寺は、柿の産地とのことで、秋に伺ったときにはそこらじゅうの柿畑が真っ赤に紅葉してそれはそれは美しい秋景色でした。
今回は、春。
福岡には関西よりも一足早く春が訪れていて、すでに木々には若葉が瑞々しく育ち、お花もあちこちに咲き乱れていました。
そう、善導寺のあたりは植木や草花の栽培もさかんなのだそう。
前回は短い滞在だったのであまり気がつくことがなかったけれど、今回とくに驚いたのは、このあたりの土地と空の広さでした。
あらためて写真で見ると、まるで北海道!
空もほら。
全方位空、空、空。
プラネタリウムのように空が見渡せるのです。
大阪のビルの隙間からのぞく切り取られたような空とは大違い。
空の大きさに圧倒されすぎて、写真に撮ることすら忘れてひたすら見上げていた私。
こんなに空が広かったら、ちっぽけな悩みなんて空を見上げているだけでなくなってしまいそう。
私が「空がこんなに大きいなんて」と驚いてばかりいると、のりこさんは「そんなここでは当たり前のことに驚いていることが驚きよ」と可笑しがります。
そして「当たり前に思っていることが、実はとっても幸せなことなんだと気がつきました」とも。
そう、この空にしても、周りに広がる畑から穫れる新鮮でおいしい野菜にしても、ここにお住まいのみなさんには当たり前のこと。
「都会だといつでも本に載っているようなステキなものやごはんが手に入るから」「病気になってもすぐ近くに大きな病院もあるでしょ」とときに私を羨むのりこさんですが、自分のまわりにたくさんあふれている当たり前の幸せにもちゃんと気づいて暮らしてらっしゃる、その気づきの上に成り立つ暮らしぶりそのものが私にはとても豊かに思えました。
空にまつわる久留米のステキな思い出をもうふたつ。
赤くて大きな満月がちょうど山の端からひょいと上ってくるさまを眺めることができたのです。
山から月が上るなんて。またしても驚く私とそれを不思議がるのりこさん。
それはそれは今まで見た中でいちばんミステリアスな満月でした。
後から聞けば、ストロベリームーンと名付けられた平成最後の満月でした。
次の日に出会ったのは、真っ赤な夕日が今まさに山に沈むところ。
見渡す視界が全部山の端なので、此の地では夕日は必ず山に沈む・・・ 沈んだ後もしばらくは、空一面が青色からバラ色へそして紫色へと移り変わり、町全体が同じ色にじんわり染まっているに見えました。
上る満月と沈む夕日。
久留米の広くて大きな空をさらに思い出深いものにしてくれたふたつのギフト。
私は、そのふたつのギフトとともにあの久留米の青い空も自分の記憶の中のギャラリーに移し描こうと思います。
投稿者プロフィール
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料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。
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