小正月 女正月

今日は1月15日。
少し前なら、1月15日で思い出すのは
成人の日の祝日。
ラグビーの日本選手権決勝の日。
鏡開き。
どんど燒き。
小正月。
成人の日もラグビーの決勝も1月15日ではなくなってしまい、鏡開きもどんど燒きも日常の暮らしの中では失われた行事になりつつあります。
でも、私にとって見過ごせないのは小正月。
今ではほとんど死語のこの言葉ですが、小さい頃、祖母の口から何度か聞いた覚えがあってなんとなく懷かしく、この日が来ればお正月は終わり、という意識だけがずっと今まで心の中に残っています。
15日には松の内が終わり、どんど燒きでしめ縄を燃やし、小豆粥を食べて、お鏡開きをして、ようやくケの日の暮らしに戻る・・・祖母が生きた時代にはそんな暮らしごとが当たり前だったのでしょうね。
そういえば、この日まで我慢してとっておいたお鏡餅、おぜんざいに入れてもらって食べたときのあのカビ臭さでさえ、なんだか懐かしい。

小正月が別名「女正月」と呼ばれるのを知ったのは、最近のこと。
年末年始にお正月の準備や接待で大忙しだった女性がようやく落ち着いて休息をとり、お正月を祝うための日なのだそう。
わかります、わかります。
そんな日は絶対必要です。一生懸命家族や親戚のために働いたんだから。お正月どころではなかったんだから。ここらでちょっと休まなくちゃ。
今なら、さしずめ、女子会をしてお互いの労をねぎらうのでしょうが、実は昔の女性たちも「女だけの酒盛り」を開いていたりしたそうです。なかなかやるなぁ、お母さんたち。
女正月の事を知ってから、1月15日と言う日が余計になんだか愛おしくて、わたしの行事日にこの日を「女正月の日」と制定。 特別何をするというわけでもないのですが、小豆粥だけは忘れず炊いて家族の無病息災を祈りながら、遠い昔のがんばり屋のお母さんたちに想いを馳せてみています。
昔通りの風習をなぞらえることはできないけれど、こうして「私の行事日」を作っていくのもおもしろいかもしれませんね。
投稿者プロフィール

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料理家。 だしソムリエ1級。 ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、季節を感じる食卓を分かち合うごはん教室開催やごはん作りの家庭教師、出張一日社食など、誰かの食卓をシアワセにするための活動を展開中。
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