2月のうつぼ公園教室風景

立春から雨水へと暦が移る頃に開催した2月教室のテーマは、「お出汁が香る早春の一汁三菜定食」

ハレの日にも使える昆布とかつおの一番だしはもちろん、いりこだしのおいしさと便利さに参加して下さったみなさん、驚きの連続でした。

2月のメニュー

  • 巾着たまごの含め煮
  • 出汁殻いりこのエスカベージュ
  • 切り干し大根とドライトマトのイエローカレー出汁煮
  • ちりめんじゃことせりの炊き込みごはん
  • おつゆ代わりに菜の花と桜海老の和風出汁玄米パスタ

今月の主役は、何と言ってもおだし素材。

今回は、上質で美味しいいりこで有名な「やまくに」さんの銀付きいりこと大羽いりこ、京都東寺のおだしの「うね乃」さんの利尻昆布、枯れ節の花かつお、それと今いちばん私が頻用させてもらっている職人だしを使ってだしがらまで美味しく利用できるレシピを紹介しました。

利尻昆布と枯れ節の花かつおで引いたおだしは、巾着たまごとパスタスープに、いりこだしは炊き込みごはんに、職人だしは切り干し大根煮とおつまみの白和えに使ったお稲荷揚げの含め煮に、そして、大羽いりこのまるごとのだしがらは唐揚げにしてエスカベージュに。

教室風景

すべての素材を試食して、おだしを試飲して。美味しすぎてすでにおなかが満たされた

いりこは、半分に割ってはらわたとエラの部分をとってから、から煎りして使うのが原則ですが、新鮮ないりこはまるのままでも美味しくて、おやつがわりにいくつでも食べたくなってしまいます。

良いいりこの見分け方は、きれいな銀色をしていて、形が「へ」の字形、そして、口を開いているのも新鮮な証拠なのだそう。
どうです。この大口。

うね乃さんの昆布とかつお節も用いる量が少なめなのに、いや少なめだからこそ、ほんとうにあっさりと優しくでも滋味あふれるよいおだしをひくことができて、巾着煮もパスタスープも「おいしい〜!」と大好評でした。

巾着といえば、今回初めて「巾着煮」というおかずを知ったという方がたくさんおられて、巾着煮も昔のおふくろの味になってしまったのか、と少し寂しく感じました。

お揚げさんを破らないように袋状にするのにドキドキ、生卵をカップから袋の中に入れるのにワクワク。楊枝で口を留めるのに再びドキドキ。でも、みなさん、失敗せずにとても上手にできました。

どこか懐かしくてホッとするような味のこんな煮物をこれからも若いみなさんに紹介していきたいなと思います。

今回の主菜として用意したエスカベージュは、洋風の南蛮漬けのようなもの。

赤パプリカやピーマンなど彩りの鮮やかな野菜を使えば映えますが、できるかぎり旬の食材を使って作りたいというのが茶飯事会の決まり事。なので、今回は新玉ねぎに人参とセロリ、それにわかめを加えた少し地味めの外見になりました。

この色合い実はとっても気に入っています。最後に天盛りにしたセロリの葉の細切りのおかげで、春らしい暖かな雰囲気のおかずに仕上がったと思われませんか?

パスタをおだしで食べてもらうために用意した、お吸い物。

椀種には、釜揚げの桜海老が手に入りました。つまの菜の花と合わせてみたら、愛らしい桜色のおかげで一気に食卓に春がやってきましたよ。

今月の「お疲れさまおつまみ」は、稲荷あげとほうれん草の厚揚げ白和えです。

おいなり寿司のお揚げさんの味つけで炊いたお揚げを色紙切りにして、茹でたほうれん草とともに厚揚げで作ったあえ衣で和えたもの。

口に入れると甘辛いお揚げのおつゆがじゅわ〜っとしみ出しておだしの美味しさを満喫できるひと品です。                                        

今月もたくさんの方にお越しいただきありがとうございました。

そのまま食べても美味しくて、使えば気軽に本格的な味が決まるおだしの魅力にみなさんはまって下さったかな。

今度はまた、ケの日に手早く利用できるおだしのパックやびんものも紹介する予定です。お楽しみに。


投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。

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