うれしいおやつ〜老松の夏柑糖〜

お土産に、京都「老松」さんの夏柑糖をいただきました。

夏みかんの果汁を寒天でかためた、この季節ならではの冷たいお菓子。

切ると、ふんわりと甘酸っぱい香りが広がります。

先月のお料理教室で、「季節の柑橘とセロリのマリネ」を作った際に、そういえば最近甘夏は見るけれど夏みかんってさっぱり目にすることがなくなったなあと思っていたのですが、老松さんのホームページに綴られている「夏柑糖にまつわるエピソード」をあらためて読んでなるほどそうだったのかと納得しました。

戦後まもなく、もののない時代に、庭にあった夏蜜柑の果実に、少しの砂糖と
寒天を合わせて、上七軒の数寄者のお客様方のためにお作りしたのが最初です。
日本原産種の夏蜜柑の強度の酸を寒天で固めることは非常に難しく、約20年
前に人工ゲル化剤が誕生するまでは、唯一の蜜柑の寒天菓子として(※)、
多くの方々のご愛顧を賜って参りました。

ところが、昭和50年以降、グレープフルーツの輸入自由化等により、夏蜜柑
は甘夏に作付け転換され、その姿がほとんど消されてしまいました。

私たちは、原産地である萩(山口県)の各農家に依頼し、種の保存と品物の
確保に努めて参りました。

その後、クール宅急便の全国拡大により夏柑糖の需要が増大し、原種の夏蜜柑
確保のため、和歌山の産地農家にも依頼。各農家の協力を得て、ひとたび甘夏
に変えらえれていた樹を夏蜜柑に戻してもらうことができました。
そのため、現在もこの菓子をようやく作り続けられる状況にあります。
毎年4月1日に製造を開始。
その年の夏蜜柑の取れ高により、終了時期はまちまちになります。

老松 ホームページ内 山人艸果- さんじんそうか より


グレープフルーツと入れ替わりに、夏みかんは姿を消していったのですね。

確かに夏みかんは今あるどんな柑橘よりも酸っぱくてちょっぴり苦くて、幼い頃には苦手でしたが、それでもあの酸っぱさが季節の到来を教えてくれていたんだなあと今頃懐かしく思います。

そういえば、昔は苺も初夏の果物。

あの甘酸っぱい味が、ちょうど衣替えをして替わった学校の制服の半袖の記憶と重なります。

季節と繋がる味覚の記憶。

古き良き昭和の思い出です。

老松さんで仕入れた夏みかんがなくなると、グレープフルーツで作った「晩柑糖」が出回ります。

季節限定のお菓子をあれこれと買い求めるのも、二十四もの季節のある国に住んでいる楽しみのひとつですね。


大阪のお料理教室『茶飯事会』

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