お腹が空きすぎて待てないから〜パーソナルレッスン〜

パーソナルレッスンを受講される方に書いていただくアンケートで「晩ごはんはほとんど作らない」と答えて下さった方の「作らない理由」の中に「お腹が空きすぎて作っている時間も待てないから」「この空腹を抱えて今から作るのはめんどうだから」という回答が少なくありません。
わかります。
私もそんな風に思うことは今でもたびたびありますもの。
ええい、今夜はデパ地下のお総菜を買ってしまおう。
特に、ひとりで晩ごはんを食べるという日には、デパ地下の誘惑には抗えないことも多いです。
でも。
帰宅してキッチンに立つのは、単に「調理をする」ためだけではないとわかるようになりました。
晩ごはんを作って食べる、その時間は、「公」の自分から「私」の自分へと戻るための大切なひととき。
めまぐるしい一日が過ぎて、なくしそうになっていた自分を取り戻し、そっと労る癒しの時間でもあると思うのです。
だから、重い通勤バッグを置くと同時に、仕事中に纏った硬くて重い鎧も脱いで、キッチンに立ちながら少しずつ「素」の自分に戻るためには、ある程度の時間は必要です。
10分や15分でできるという「時短料理」やお総菜をパックごと並べるだけでは、
ありのままの自分に戻りきって食卓に向かうには時間が短すぎる気がします。
でも、お腹が空きすぎて待てなくて、リラックスどころではないんだけれど?
そんな時には、まずはお酒をひとくち飲んで、人心地つけましょう。
そうしてちょっと気分を落ち着かせてから、できあがってそれを食べている自分の満足感を思い描きながら、作っていくとうまくいきます。
お腹をすかせていれば、お料理も自然と手早くできていくし、意外なアイデアも湧いてくるようになるものです。
できあがったごはんを食卓に並べ、きちんと座って、「いただきます」「おつかれさま、私」って声に出して言ってみれば、きっとささやかでもシアワセな気持ちが身体と心を包んでくれるはず。
デパ地下のお総菜の日だって全然あり。
たまにだと、逆にワクワクするものです。
そんなときでも、きれいにお皿に並べ直して、ときには少しだけ手を加えて、自分自身にうんとサービスをしてあげましょう。
誰のためでもない、大好きな自分のために。
キッチンに立ってごはんを作りながら、一日中毛羽立っていた心をゆっくりと撫でておさめていく。
そんなお料理の持つステキな力とその時間の愛おしさをこのパーソナルレッスンでお伝えしていこうと思います。
投稿者プロフィール

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料理家。 だしソムリエ1級。 ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、季節を感じる食卓を分かち合うごはん教室開催やごはん作りの家庭教師、出張一日社食など、誰かの食卓をシアワセにするための活動を展開中。
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