7月のうつぼ公園教室風景

記録的に遅く始まった今年の梅雨、ちょうどその最後にあたったのでしょうか?

7月のうつぼ教室は3日間とも、雨が降ったりやんだりの梅雨らしいお天気の合間に夏空も広がるという空模様の下で開催されました。

7月のテーマは「夏の宵のうち飲み会」

明るい夕方からみんなが集まり始まるうち飲みの機会が増える夏に、旬の夏野菜で簡単にできてオシャレで美味しいおつまみとメイン料理、スープを作りました。

7月のメニュー

  • なすの生ハムロール
  • 満願寺とうがらしとアンチョビのワイン蒸し
  • ズッキーニラペ
  • クロスティーニ2種・・練り胡麻といちじく、ひじきのイタリアン
  • 豚フィレ肉と夏野菜のハーブロースト
  • 冷たいトマトジュレスープ

教室風景

今月の器たちと並べ方をあれこれと。

夏らしく白と藍と木目の3色に限定して。

なすの生ハムロール

わがやでは、もう10年以上前からの夏のナスおかずの定番です。生ハムをベーコンに変えればお弁当にもぴったりだし、少し高級なものに変えたりモッツアレラも加えて巻いたりすれば、おもてなしの前菜にも使えます。

ナスを縦に薄切りにしてソテーするだけの簡単料理ですが、ナスが太くなっても細くなりすぎてもうまく巻けません。

躊躇せずにたっぷりのオリーブオイルでソテーするのも大切。オイルが足りないと、ナスがしなやかに巻けませんし、口当たりもトロリとしません。

ナスがうまくできれば、冷蔵庫で冷やして落ち着かせたあと、生ハムと大葉を重ねて巻くだけです。

仕上げにバルサミコ酢に赤ワインとみりんやメープルシロップなどの甘味を加えて煮詰めたものをソースにして。

忙しい時は、バルサミコ酢をかけるだけでも大丈夫。とにかく冷たく冷やして食べること。

《バルサミコソースのレシピ》

バルサミコ酢大さじ5、みりん大さじ2、赤ワイン大さじ1を弱火にかけて熱し、5分くらい、半量くらいに煮詰まってすこしとろみがついてきたらできあがり。 冷ますとかたまってくるので、希望のとろみよりも早めに火から下ろし、冷蔵庫で冷やしてから使います。

満願寺とうがらしとアンチョビのワイン蒸し

大きくてりっぱな満願寺さんをそのまま使うのがみそ。にんにくとアンチョビに白ワインという間違いなくよい仕事をしてくれるトリオで蒸した満願寺とうがらしは、一晩冷たく冷やしてからいただくのがより美味しくなるポイントです。

満願寺さんの種類によったり蒸し時間によったりで少しくったりした場合には、こんな風に折りたたんでピンチョス串を刺してもおしゃれです。

ズッキーニラペ

このごろ、ごく普通に売られるようになったズッキーニ。実は生で食べてもおいしいのです。

スライサーでささっとおろして、オリーブオイルと白バルサミコ酢がベースのドレッシングをかけたら、あっという間に夏の一品が完成です。

ドレッシングにはレモンや粒マスタードなどを加えましたが、お好みのアレンジで。黄色のズッキーニも加えると彩りがさらに鮮やかに。

クロスティーニ2種・・練り胡麻といちじく、ひじきのイタリアン

フレッシュないちじくが見つからなかったので、急遽ドライいちじくを買い求め、それに合わせて練り胡麻ペーストにもから煎りしたクミンシードを加えて少しエキゾチックな味にしてみました。

ひじきのイタリアンは、太いタイプのひじき(長ひじき)を使ってにんにく、ドライトマト、バルサミコ酢などでイタリアン仕立てに。クリームチーズかマスカルポーネを塗ったパンにのせて。

《ひじきのイタリアンのレシピ》

長ひじき10gは水で20分ほど戻し、細かく刻む。 ドライトマト1〜2枚も水で戻し、細かく切る。トマトの戻し汁はおいておく。にんにくのみじん切りと輪切りの赤とうがらしをオリーブオイルで炒めて、香りが立ってきたら、ひじきとドライトマトを加えて炒める。トマトの戻し汁小さじ1を加えてさらに炒め、仕上げにバルサミコ酢小さじ1を加えてひと混ぜして火を止め、冷ます。

豚フィレ肉と夏野菜のハーブロースト

今回のメインディッシュともいえる、お肉のローストです。

予め、お肉ににんにく、レモン果汁、オリーブオイル、ハーブスパイス、塩・こしょうなどをたっぷりとまぶしてマリネにしておけば、手間いらず。

40分ほど焼いている間に他のことができるから、おもてなしにはオススメです。

オーブンに入れる前

今回はこれらのスパイスを使いました。

冷たいトマトジュレスープ

口に運んだら、スープみたいにとろけるように絶妙なふるふるに仕上げる二層仕立てのジュレ。

下層がトマトからとったおだし
上層はうね乃さんの「しろだし」で。

ゼラチンを固める塩梅や中に忍ばせる具材次第で、前菜にもなりスープにもなる、夏にはもってこいの一品です。

トマトには、昆布と同じグルタミン酸がたっぷり含まれているうえに、酸味や甘味も加味されるので、トマトからとれるおだしはそれだけでもうまみは十分。

トマトを刻んで煮て冷ましてから、ゆっくり漉してとったおだしはこんなにも透明です。

今回は、冷まさずに漉したもの。淡いオレンジ色に濁っただしがとれましたが、二層にするにはこちらの方が向いています。

生のトマトをピュレにして一晩かけてゆっくり漉し出すと、全く無色透明のおだしがとれるらしく、次回はトマトのおだしだけでこの無色透明の不思議なジュレスープを作ってみたいと思います。

今回、使用した「しろだし」は、京都にあるおだしの専門店「うね乃」さんのもの。紛らわしい「無添加」ではなくほんまもんの「無添加」のしろだしは、なかなか探しても見つからないので、うね乃さんのしろだしは本当に重宝します。

漉したあとのトマトの出しがらは、ピュレにして甘酒と塩麹で味つけをしたら美味しいケチャップ風のソースになりました。

教室が始まる前のほっとタイムのつきだしには、カリカリ厚揚げのだし酢浸しにこのソースをのせて。一口食べると、ほんのり酸っぱいおだしがじゅわっとしみ出してくる冷たい厚揚げも夏にはまた美味しいもの。参加していただいたみなさんにはとても好評でした。

《カリカリ厚揚げのだし酢浸しのレシピ》

厚揚げは適当な大きさにカットし、サラダ油(今回はJUNKO OIL)で全面をカリカリになるまで揚げ焼きする。6倍に薄めたうね乃のしろだし(しろだし10mlに水50ml)に酢10mlとしょうゆ10mlを加えてだし酢を作る。焼き上がった厚揚げを熱いうちにだし酢に浸し、どの面にもまんべんなくだしが行きわたるようにひっくり返す。そのまま冷蔵庫で冷やしておく。 食べる直前にとりだして器に盛り、今回は前述のトマトソースをかけてミョウガの細切りをのせる。

夏は、前菜も冷たいものが好まれるので、事前に作っておける夏野菜のおつまみはうち飲みの集いにとても重宝します。

これからが、夏野菜の盛りの時期。

夏休みやお盆でうち飲みの機会も増えるので、ぜひご自宅でも夏野菜で美味しいおつまみを作ってみて下さいね。

今月も、ご参加ありがとうございました。

さて、8月のうつぼ公園お料理教室は、夏休みをいただきます。

9月は、第3水曜日18日より、19日木、20日金の3日間開催いたします。

お申込は8月中旬よりご案内させていただきます。

9月もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。