たったひとつの卵があれば〜パーソナルレッスン〜

パーソナルレッスンを受けて下さっている方の受講目的は、さまざま。

卵が大好きだから、卵料理のレパートリーを増やしたい。でも、一度にたくさんは食べたくない。

そんな生徒さんのために、卵ひとつでできる卵料理を工夫するのも私の楽しいしごとです。

卵料理で思い浮かぶのは、目玉焼きにゆで卵、オムレツにスクランブルドエッグ、そしてオムライス。

お茶碗蒸しやだし巻き卵は、憧れるけれど難しそう。

しかも卵1個では・・・。

いえいえ、ちょっとしたコツと道具さえあれば、毎日でもつくれるおうちごはんになるのです。

お茶碗蒸しやだし巻き卵がもっと気軽に作れるなら、卵好きさんにとって毎日のごはんももっと楽しくなりそうですね。

まずは、卵1個で美味しく作れるお茶碗蒸しをご紹介します。

卵1個でお茶碗蒸しレシピ

《材料》

卵:1個

あわせだし  

  だし汁:150ml

  淡口しょうゆ:小さじ1

  みりん:小さじ1/2

  塩:少々

具材:しいたけ、鶏肉、かまぼこ、ほたて、三つ葉、ゆりね、ゆずなど季節の食材を。うま味のあるだしが出やすいものを入れるとよりおいしくできあがります。でも、冷蔵庫にあるもので十分。

《作り方》

・卵は、白身を切るようにほぐす

・具材を切る

・蒸し器に多めに水を入れて火にかけ、しっかり湯気の出る状態に準備しておく

蒸し器のふたにふきんをかぶせて、水蒸気が水滴になってお茶碗蒸しの中に落ちないようにしておく

・卵とあわせだしを混ぜて、茶こしなどで漉して滑らかにしておく

・器に具材を入れて、卵液を空気が入らないように静かに注ぎ入れる

・せいろで2段にわけて蒸す場合は、下段に入れるものにはアルミホイルでフタをする(水蒸気が滴ってお茶碗蒸しに入らないように)

・湯気の上がった蒸し器に入れて蓋をし、強火で1(〜2)分蒸す

・次に弱火にして、ふたに1本お箸を挟んでフタを少し開けた状態にして弱火で10(〜15)分蒸す

・一度10分経ったときにフタを開けてチェックして、全体にかたまっていたらOK

*だし汁は、150mlだけしか必要ないし、おうちごはんなら市販の白だしでも十分です。 わたしのオススメは、京都おだしのうね乃さんの白だし。

添加物・化学調味料・エキスなどは一切使用なしの、薩摩産鰹節・天然利尻昆布・大分県産干し椎茸のバランスのとれたおだしと、しろたまりでできています。

*白だしを使う場合は、規定の希釈の倍率で。また、他の調味料は不要ですので、ご注意を。

ポイントはこれだけ

さて、お茶碗蒸し作りのポイントはこちらです。

・卵は一度漉して滑らかにすると口当たりもとろとろ滑らかに

・蒸し器は、フタをして強火で1〜2分、フタを少し開けて弱火で10〜15分。

私の場合は、たいてい強火で1分、続いて弱火で10分で出来上がります。いつも少し小さめの器で作るからです。なので、大きめの器なら、2分蒸して、次に弱火で一旦10分で様子を見て、まだ少し揺らしても完全には個体になりきれてないようなら、少し時間を足してください。

 これが「す」が入らずにできあがるためのいちばんのポイント。これを守れば、美味しいお茶碗蒸しができあがりますよ。

注)蒸し器具やコンロによる火力の違い、IHコンロを使用する場合など、各ご家庭の状況で時間が異なることがあります。何度か作ってみて、いちばんよいMy火加減を探してみて下さいね。

ふだん着ごはんにぜひどうぞ

お茶碗蒸しを作りたいけど、ふたつきの専用の器を持っていないし・・・。りっぱな蒸し器も持ってないし・・・。

大丈夫、蒸し器に対応できる素材なら、いつもの小鉢でもコーヒーカップでも、茶碗蒸しはできるんです。

今回は、すでにある中華のミニせいろを利用して作れるよう、浅めの小鉢を利用しました。これなら、卵1個でなんとふたりぶんのお茶碗蒸しができあがります。

ふつうのお鍋しか無くても、ある程度の高さがあれば、器に合わせて高さ2〜3cmのお水をはって強火で沸騰させ、直接器を並び入れて作ることも可能です。

中に入れる具材も、冷蔵庫にあるもので十分。お豆腐を四角に切って真ん中に入れただけの「南禅寺蒸し」もシンプルでよいもの。なんにもなければ、卵豆腐みたいにシンプルに卵だけでもOKです。

このときには、だし汁を少し多めに作っておいて、生姜やわさびを溶き入れて葛粉や片栗粉でとろみをつけた生姜あんやわさびあんをできあがりの表面にかけてもおいしいです。

もちろん、日本料理店のそれは別格として、家庭料理のなかでもごちそう感の高いお茶碗蒸し。

毎日のふだん着ごはんの中で作り慣れておいて、ちょっとあらたまったおもてなしのときには、具材もだしも本格的なものに変える。

そんなハレとケの使い分けも気楽に楽しんでみてもらえると、お料理っておもしろいなときっと思ってもらえるのではないかな、と日々考えるわたしです。

卵ひとつのお茶碗蒸しレシピが、パーソナルレッスンのみなさんに好評だったので、うつぼ公園夜のお料理教室でもせいろ料理のひとつとしてご紹介したところ、ふだんごはんとして作って下さるようになった生徒さんの投稿がありました。

ほんとうに、卵1個で作れる幸せですね♪

作って下さってありがとうございます。

今日も雪のちらつく寒い一日。

冷蔵庫に卵がひとつ残っていたら、今夜はお茶碗蒸しいかがですか?

投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。