手軽に美味しくお豆ごはん
今年はそら豆の収穫が例年になく早いと書きましたが、やはり今もう近所のふつうのスーパーマーケットではそら豆の姿をさっぱり見かけなくなりました。
それに代わってどんどん増えてきたのがえんどう豆、関西では「うすいえんどう」という種類のお豆です。
こちらは例年の旬のとおり。いつもの季節にいつもの食材が手に入るということは、お料理を仕事にするわたしたちにとっては本当にありがたいことです。
関西育ちの私は、えんどう豆というとこのうすいえんどうしか知りませんでした。
グリーンピースというのは、小さな缶詰の水煮かミックスベジタブルに入っている濃い緑色のお豆、つまり加工品のえんどう豆のことだとばかり。
だから、グリーンピースで炊くお豆ごはんが苦手という人が多いのもなんとなく納得していたのです。
ところが、昨年の春に久留米の友人のお宅でいただいたお豆ごはんはその名も「ピースごはん」。
関西のうすいえんどう豆よりも色の鮮やかなお豆が入ったそのごはんはとっても美味しかったのです。
えんどう豆のことを「グリーンピース」っで言うんだ!
住む場所によって使い慣れた言葉は様々。長く生きていても知らないことはわんさかです。
さて、そのうすいえんどう豆ですが、お店に売られているのをみつけて毎年いちばんに作りたくなるのは、なんといってもお豆ごはんです。
ごはんが炊きあがるにつれてふうわ〜っと立ち上ってくるお豆のちょっと青臭くて甘い香り。春がきたなあと思わせてくれます。
お豆ごはんの炊き方には、二通りあります。
お米の水加減をしたら、さやから出したお豆を一緒に入れて炊く方法。
お豆だけ先に塩茹でしておいて、その茹で汁を加えたお水でご飯を炊き、炊きあがってから別茹でのお豆を混ぜる方法。
後者のほうが、お豆の色がよりきれいなまま出来上がるので、お店ではこちらの豆ごはんが出されることがほとんどです。
私も、以前はおうちごはんのときは一緒に炊き込んで、おもてなしのときには別茹でにして、と使い分けをしていましたが、やっぱり一緒に炊くほうが、うすいえんどうの香りも旨味もうんと味わえるように思えてきて、最近ではもっぱら一緒に炊き込むお豆ごはんばかりです。
お豆をむいたら、塩ゆでして煮汁を冷ますという一手間がなくそのまますぐに炊飯ができる手軽さと、一緒に炊き込んだお豆さんのすこし色あせたなんともホッとするうぐいす色が家庭料理の良さや温かさを醸し出しているように思えます。
さて、最近の私のお気に入りは、細切り昆布といっしょに炊く豆ごはん。昆布の旨味と塩気が上品にごはんに染み込むので、えんどう豆と昆布だけで塩もお酒も加えずに炊き込みます。
細切り昆布は、京都おだしのうね乃さんのもの。補足補足均一に刻まれた美しいフォルムと深い旨み。これだけでもじゅうぶんおいしくて、私はおつまみやおやつにもいただいています。
この細切り昆布は、そら豆ごはんやたけのこご飯にも大活躍です。 是非一度お試しを。
投稿者プロフィール
-
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。
最新の投稿
- 未分類2023.01.23保護中: 1月れんこんと金柑とゆり根の蒸しずし追補〜受講者専用〜
- 教室開催のお知らせ〜暦のおすしの会2022.12.10【終了】れんこんと金柑とゆり根のばらずし
- 未分類2022.11.27保護中: 11月吹き寄せばらずし教室追補〜受講者専用〜
- 教室開催のお知らせ〜暦のおすしの会2022.10.12【終了】11月錦秋の吹き寄せばらずしの会