金曜日は「帰ったらお届け晩ごはんの日」

7月17日の金曜日から、毎週金曜日は、「帰ったらお届け晩ごはんの日」になりました。

帰ったらお届け晩ごはん? 娘が仕事から帰宅したときに晩ごはんを用意して待っている日です。

徒歩5分の距離に住んでいる娘夫婦と孫のために、これまでにもちょこちょこごはんは届けていたのですが、毎週曜日を決めて作るほうが、作る側も受け取る側も予定が立っていいだろうし、娘は朝からきっときもちにゆとりができるだろうからと、こんな日を制定してみたのです。

実は7月15日は、昨年亡くなった母の誕生日。

写真を眺めながら在りし日を思い出していたら、母が私達のために作ってくれたたくさんのたくさんのごはんのことが次々に思い浮かんできました。

母は、わたしに子どもが生まれてからは、毎週休まず電車とバスを乗り継いで1泊2日でやってきては、2日間の保育園のお迎えと夕食と朝食におべんとう、帰っていく日の翌日のごはんの用意まで、さらには掃除に洗濯、1週間分のアイロンがけまでこなして、仕事をするわたしをずっと支えてくれていました。

子どもたちが中学・高校、大学生、はては社会人になってまで。自分が認知症になって家事がこなしにくくなってしまうまで…。

母が来てくれている日の夜は、気兼ねせずに仕事に没頭できる夜でもあれば、友達と息抜きにお出かけできる夜、いえいえ何よりも帰ったらおいしいごはんが待っているそれは楽しみな夜でした。

「母が来てくれる日」は、朝から気持ちにもゆとりが生まれます。

わたしの仕事人生は、こんな母の支えがあったからこそ物理的にも精神的にも続いていたのです。

母はよく「おばあちゃんがしてくれたこととおんなじことやってるわ」と言っていました。

「おかあさんみたいなことわたしには絶対に無理!」とその当時には思っていたけれど、こうやって娘が近くに住むようになってかわいい孫も生まれたら、母があの献身的なサポートをどんな思いでずっとやってくれていたのか、わかったような気がします。

せっかくこうやって少し自由に使える時間もできた今、母のようにはできないけれど、作ってもらったごはんを食べるときのあの幸せだった気持ちを娘にも届けたい。

きっと、母が後押ししてくれたのか、母の誕生日の日に決めたのでした。

母が祖母に、わたしが母にしてもらったことを、今度はわたしが娘に恩送り。

今日も、「あ〜、おいしい。うれしい」「ただいま〜って誰かのいる家に帰ってくるってやっぱりいいね」と言いつつごはんを食べる娘を目の前にしながら、母もきっとこんなシーンにここちよさとか満足感とか生きがいみたいなものを感じていたんだろうなあとしみじみ思うわたしでした。

今日の晩ごはん

  • 鶏もも肉の八角煮&煮玉子
  • 南瓜と紫花豆の胡麻煮
  • にんじんラペ
  • 小松菜と白なす、崩し豆腐のお味噌汁

投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。