春だ。あさりだ。上手な砂吐きはこの方法で。

2月第2週のメールマガジンでご紹介した「あさりのじょうずな砂吐きのしかた」

さらに詳しい方法をこちらでお伝えしていきます。

 

砂吐きの方法

「あさりが暮らしている海の環境を再現する」

  • 海水とほぼ同じ塩分濃度の水を用意する

海水の塩分濃度:3.4%→約3%・・・・水200mlに塩小さじ1  500mlなら塩大さじ1 

*精製塩と粗塩では、重さが少し違いますが、気にしないで大丈夫

  • あさりが重ならないように入る容器を用意してあさりを並べ、半分つかるくらいに塩水を注ぐ
  • 暗くて静かなリラックスできる環境に置く

容器に新聞紙やアルミホイルで蓋をして最低1時間位  可能なら2〜3時間 静置する

水温が冷たすぎても砂を吐かないので、ちょっとぬるめ位のほうがよい (春先なら室温、気温が上がってきたら冷蔵庫)

ぴっちりした透明な蓋で密閉すると酸欠お起こすかもしれないのと暗くならないので、アルミホイルなどがおすすめ

それに、覆いをしておくと、水管から吐き出した水があたりに飛び散らない、というメリットも。

*写真のような、ザル付きのバットがあれば、ザルにあさりを並べておくと吐いた砂が下に落ちて、再度あさりが吸い込むことがないので便利です。

ラバーゼのザル付バット。水切りのほか、揚げ物の油切りや干し野菜つくりにも便利なわがやの必需品。
覆いを外した直後のあさりたち。ちょっとびっくりして足や水管を引っ込めてしまいましたが…。それでも、伸びています。

メルマガでもお伝えしましたが、この水の量がポイントです。

たぶん、みなさんがあさりを浸すときの塩水の量よりもかなり少ないでしょう。

まるで「半身浴」。

このくらいのほうが呼吸がしやすいのだそうです。この量にしてからは、あさりたちが確実にぴゅっぴゅっと水管からみずを吐き出していました。 水管も足も伸び伸びになってリラックス。

「あ〜、久しぶりに気持ちいい」というあさりたちのつぶやきが聞こえてくるのはわたしだけ?

このときに、貝の中に取り込んだ砂を出すのだそうです。

(水管から吐き出すのではなく、慌てて?殻を閉じたときに一緒にからの中に入った砂粒を外套膜を使って外に出すそうです。ここは、また真偽を確認してみます)

だから、緊張してぎゅっとならずにリラックスした環境を創り出してやることが大事なんですね。

砂吐きが完了したら…

  • あさり同士をこすりあわせるように流水で洗って表面の汚れやぬめりをとる
  • さらに時間がある場合は、3時間位室温に放置するとコハク酸が増して美味しくなるそう。あさりが身の危険を感じてうまみ成分のコハク酸が増えるそうです。

 リラックスさせたり、身の危険を感じさせたり、あさりにはなんとも気の毒… そのぶん感謝しておいしくいただきますからね。

すぐに食べないとき、食べきれないときは…冷凍を!

あさりは、冷凍保存できるんです。

砂吐きをしたあさりの水気を切って、ジプロックなどに入れて冷凍保存します。

時間のあるときにここまでしておけば、食べたいときにいつでも好きな数だけ取り出して調理できるなんて、もう嬉しすぎます。

ただし、解凍の際には、自然解凍は避けて、いきなり高温調理を!

いきなり炒め物にする、いきなり沸騰したお湯に入れるなどしてくださいね。

あさりのお吸い物やお味噌汁を作るときは、水にあさりを入れてから火にかけ、ゆっくりと煮立ててうまみをひきだすのがふつうですが、冷凍あさりの場合は、煮立ててから入れること。

そうすれば、ちゃんと口が開いて生のあさりと変わらなく美味しくいただけます。

春キャベツやえんどう豆にそら豆など、春の食材とも好相性のあさり。

和洋中、エスニックにと大活躍できるあさり。

今年の春は、あさり料理を存分にたのしんでくださいね。

投稿者プロフィール

清水かおり
清水 かおり
料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。

「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。