桜月の茶飯事会を開催しました。
三寒四温の春の訪れとはよく言いますが、今年のその振り幅といったら驚きでしたね。
東京では、例年より10日あまり早く桜の開花宣言があったあとで、春分の日になんと雪が降り、そのわずか5日後には桜が満開に。
こちら大阪でも、後を追うようにどんどん桜の花が開き始めました。
ちょうどその桜の開花に合わせたかのように、第7回の茶飯事会を開催することができました。
今回のテーマは「こぼれ桜の下で」
目次
桜月の茶飯事会の献立
- さくらの花びら散るベジばらずし
- 前菜3品 釜揚げ桜えびと菜の花の春色擬製豆腐 白花豆のマッシュ桜風味 最中詰め 三島独活と菜の花あるいはクレソンの変わり酢味噌和え
- 真鯛の昆布〆のカルパッチョ風 いちごのソース
- 三島独活と菜の花、よもぎ麩のお吸い物
- 食後の甘味 桜ムース
昨年の第1回目の教室で大変好評をいただき、リクエストの多かった「さくらの花びら散るベジばらずし」を今年度最後のレッスンに加え、さくらの春と言えばこのばらずしが定番のわが家の春の味をご紹介しました。
さくらの花びら散るベジばらずし
すし飯にたっぷりハーブを加えた爽やかなベジばらずし
主役はなんといってもはらはらと散る花びらです。
前菜3品
手が込んでいるように見えて、どれもとても簡単。あまりの簡単さにいつも生徒さんに驚かれています。
ポイントは、彩り。春らしい明るく可愛い色でまとめるととても上品で美味しそうに見えるのです。ただし、たくさんの色を使いすぎないように。
写真では少し淡く写っていますが、白花豆のマッシュを詰めた小さな最中は淡い若草色。
緑、黄色、ピンクの三色にしぼってから食材を用意するといいでしょう。
真鯛の昆布〆カルパッチョ風 イチゴのソース
もともと保存のための工夫として作られた昆布〆。鮮度が命の魚でも昆布に包んでおけば、数日間は日持ちします。
それだけではなく、魚のうま味のイノシン酸と昆布のうま味のグルタミン酸が合わさることでうま味が倍増、お刺身の味をぐっとグレイドアップしてくれます。
こんな手段を忙しい私たちが利用しない手はありません。
新鮮なお刺身を手に入れたくても仕事からの帰り道ではなかなか希望のものが売っていない、そんな経験おありではないですか?
下手をすると来客の前の日は夜遅くまで仕事、と言う場合も少なくないそんな時に、数日前に買って昆布〆にしておくと慌てずに美味しいお魚をお出しすることができるんです。
数日前から用意する場合は、さくごと昆布に包んでおいて食べるときに切り分ける
前夜にあるいは当日の朝手に入る場合は、切り分けてから昆布に包む
するととちょうどよい〆具合のものができあがります。
さくで売っていない場合は、すでに切り分けて売られているものが手間無しで便利です。
カルパッチョ風にシンプルにオリーブオイルだけをかけてもうま味の増した魚にはとてもよくあいますが、ここではちょっと春らしく、甘酸っぱいイチゴでソースを作りそのハーモニーを目と舌で楽しみます。
お吸い物
香り高い三島独活を活かすために、だしは少しあっさり目のいちばんだし。
食後の甘味
食後のデザートは、いちごと桜の花の塩漬けをたくさん練り込んだ桜のムース。
簡単なのにおいしいので、これはぜひおうちでもこの春リピート間違い無しですね。
三島独活を味見する
今回、特別に登場した食材は、地元茨木市の伝統野菜である「三島独活」
聞き慣れない名前かもしれませんが、とてもとても貴重な独活なのです。
三島独活の詳しい説明は、生産者である千提寺.farmさんのサイトから→→
生でも食べて美味しい三島独活、今回は、生のスティックで試食してもらったあと、変わり酢味噌和えとお吸い物でその香り高い風味を楽しんでいただきました。
幸運な初日の方々のみ、三島独活と釜曲げ桜えびの揚げ春巻きも食べていただきました。
こんなにおいしい独活があること、こんなに情熱と手間をかけて作られる野菜があることをご紹介できてよかったです。
たくさんのご参加ありがとうございました
インスタやフェイスブックにあがっていた去年の桜のばらずしの写真を見て、ずっと作ってみたかったから・・・ と、遠く九州や東京、岡山からもお越しいただき本当にありがとうございました。
今年は早々に各地で一気に桜が開花してしまい、レッスンを受けていただいてからのご自宅でのばらずし作りがみなさんのお花見に間に合うかどうか、少し心配しましたが、何とかぎりぎり間にあいそうでホッと胸をなでおろしています。
お帰りになったらすぐに作っていただけるように、今年もお土産は、京都有次さんのさくらの花びらの抜き型です。
この抜き型を使って、ぜひぜひ、ご家族やお友だちとのお花見にばらずしを作ってみて下さいね。
お重箱に詰めるとこんな感じです。
今までも、そしてこれからも
ただお料理を習って食べて帰るのではなく、
- 忙しい日常をしばし忘れてほっこり出来る場所
- 食卓を囲んで初めて出会う方々が新たなご縁で繋がる場所
- ごはんを作るって楽しいなと思ってもらえる場所
そして
- 居心地よくって帰りたくないなぁと思ってもらえる場所
茶飯事会が、そんな場所に育ちますように。
教室が終わったあとに、楽しかったエピソードのひとつひとつをひとりで思い出しながら、活躍してくれたまな板や包丁、器たちに感謝しつつ、洗い上がっていくこれらを少しずつ少しずつ積み上げていく時間が大好きです。
5月からも、どうかよろしくお願いします。
投稿者プロフィール
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料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。
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