恋しくなる湯気料理
この先まだもう少し気温が30度を超える日があるらしいとはいうものの、羽織ものが欲しくなる日には立ち上る湯気も急に恋しくなりませんか?
朝一番のミルクティ
朝ごはんのスープ
お昼ごはんの麺料理・・
湯気は身体だけでなく心もほっこりと温めてくれる不思議な力を持っています。
冬場のお鍋料理は、湯気料理の代表選手ではありますが、私のオススメは何と言っても蒸し料理、それもせいろを使った蒸し物です。
南京街の湯気の思い出
私の忘れられない湯気の思い出は、冬の神戸のルミナリエの夜。
通り抜けた南京街では、お店の多くが店頭に屋台を出しもうもうと湯気が立つ大きな蒸籠(せいろ)で熱々の飲茶が売られていました。
指先が凍るような寒さの中での真っ白な湯気が、クリスマスと相まってなんとも幸せな気分を盛り上げてくれたのが懷かしく思い出されます。
わがやのせいろ料理
さて、そんな幸せなせいろ料理が自宅でも実は手軽に味わえます。
冷え切った身体で帰宅して、食卓についた絶妙のタイミングで目の前に運ばれる熱々のせいろ。蓋を開けたときに立ち上る湯気と香り。
くもっためがねを笑いながら、ほおばる熱々の蒸し料理。
寒ささえありがたく感じる幸せの瞬間です。
また、お客さまをせいろ料理で待ち受けるときのワクワクは、冬のキッチンに立つ作り手にとって祕かな楽しみでもあるのです。
せいろ料理は、盛り方を少し変えるだけで格好のおもてなし料理に変身するとても重宝な調理法。そのまま食卓に出せるので、湯気のパフォーマンスも存分に味わっていただけます。
ひとり暮らしにこそ、せいろを使おう
なるほど・・・便利そうではあるけれど、ひとり暮らしだと、せいろなんて特別なものの出番は少ないと思われてはいませんか?
いえいえ、実はひとり暮らしにこそせいろは一押しの調理器具、わがやでは単身赴任時代の夫や転勤で家を出た息子にとってもせいろはキッチンの必須アイテムです。
疲れ果てて帰宅して、何か食べたいけど作るのはもうめんどくさい、そんな夜にはぜひせいろで野菜を蒸しましょう。
帰宅したらまずキッチンへ。お鍋にお湯を沸かしている間に冷蔵庫にある野菜を切ってせいろに並べ、沸騰したらせいろを乗っけておよそ10数分。着替えをしている間に蒸し野菜が完成します。白菜でもキャベツでもジャガイモも蓮根も。
豚肉や鶏肉も、時には冷やごはんも一緒に蒸せばワンプレート料理のようなかんたんせいろ料理が出来上がります。
蓋を開け、湯気に包まれたときのホッとした気分は、何より一日の疲れを癒してくれること間違い無し。忙しくても自炊してしっかり野菜も食べられたという満足感も生まれ、明日への意欲につながります。
こんな便利なせいろ料理、実は朝ごはんにも役立ちます。
冷凍していたカンパーニュなどのハード系のパンなら蒸してみるともちもちふわふわそしてホカホカ。同時に目玉焼きやソーセージもゆであがります。
せいろから立ち上る湯気で、大切な人に、愛しい自分にひとときのしあわせを。
わが家は今夜も湯気料理です。
- せいろ料理をたくさん作ってみんなでハフハフ食べる、今月のうつぼ公園夜のお料理教室。
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