10〜11月「霜降の茶飯事会」教室風景
二十四節気「霜降」の茶飯事会が今回も楽しく終了しました。
霜降の茶飯事会のテーマは、 「錦秋の吹き寄せばらずしでもみじ狩り」
今年は、なかなか秋らしい気候にならずに「錦秋」を愛でるには少し早い開催となりましたが、それでも2週にまたいで4日間、レッスンを進めるうちに、季節がだんだんと暦に追いついてきたように思いました。
霜降のメニュー
- 錦秋の吹き寄せばらずし
- 前菜3品
・真鯛と菊の花の和風セヴィーチェ
・柿とカブのひとさら
・生麩田楽 南瓜みそと春菊みそ - いろいろ茸(きのこ)のお吸い物
- とらやの羊羹と献上加賀棒茶
錦秋の吹き寄せばらずし
「吹き寄せ」とは、秋の風に落ち葉が吹き寄せられた風情を表現して、色とりどりの食材(できれば秋の味覚のもの)を盛り合わせた献立名、とあります。
私の作る吹き寄せばらずしは、にんじんと卵焼き、ぎんなん、そして松葉そうめんのたった4種類。
「吹き寄せ」とは言い難いかもしれません。
それでも、このシンプルさが気に入っていて、もうずっと前からこのばらずしを作り続けています。
もう20数年前でしょうか、こどもたちが保育園に通っている頃のこと。月に一度だけおべんとうの日があったのですが、今のようにキャラ弁の流行らない時代に、なんとか秋の風情を出したくて、ばらずしの上に卵焼きのいちょう、にんじんのもみじを飾ったのが最初でした。
前の晩にみんなが寝静まってから、ちまちまとひとりで型を抜いていたのを思い出します。
それ以来、決まって11月のいちょうともみじで外の風景が染まる頃限定で、子どもたちのそして私のおべんとうにはこの吹き寄せばらずしを作ってきました。
これはもう、自分だけのこだわりのようなもの。これをしないと秋を通り過ごせない!みたいな儀式のようなものでした。決してハレの日のごちそうではなく、ケの日の暦ごはん。
本物の紅葉を眺めるヒマなどないくせに、いえ、なかったからこそおべんとう箱の中だけででも秋を感じていたかったのかもしれません。
前置きがすっかり長くなってしまいましたが、そんなこんなでいつからかハレの日にも出すようになった吹き寄せばらずし。
今年もたくさんの方にお伝えすることができました。
上に飾る具がシンプルな分、すし飯の具をたっぷりいれるのがわたし流。
季節に合わせて、「さて、今回は何を入れようかな」と考えるのが楽しい作業です。
今回は7種、ときどき8種でした。
何が入っているかおわかりになりますか?
大事な役割をしてくれる金時にんじんが2週目から出回ってきたので、前半と後半のおすしは少し仕上がりが違います。
もうおわかりになりますよね。
あでやかな赤色の金時にんじんがあるほうが、より「錦秋」を表すのにうってつけなのです。
金時にんじんと普通のにんじんと両方を使えば、紅葉の濃淡が多彩になって華やかな雰囲気に仕上がります。
本格的な錦秋の頃には、金時にんじんもふつうに出回るようになっているので、ぜひ2種類を使ってみてもらうといいのですが、ただ、西洋にんじんだけでもその柔らかい色の雰囲気がどことなく心を落ち着かせてくれるように思います。
「錦秋」ではないけれど、訪れはじめた里の秋のような。
前菜3品
- 真鯛と菊の花の和風セヴィーチェ
- 蕪と柿のひとさら
- 生麩田楽
粟麩に南瓜みそ 胡麻麩に春菊みそ
- いろいろ茸のお吸い物
- 食後の甘いもの
今回は手作りでなく、美味しい和菓子とお茶を楽しんでいただきました。
教室風景
4日間にご参加いただいたみなさま
徒歩20分の距離のご近所さんからはるか千葉県から来て下さった方もいらっしゃって、今回も本当にステキな方々に参加いただき、おかげさまでわたしもとても楽しくシアワセいっぱいの時間を過ごす事ができました。
本当にありがとうございました。
これからが、いよいよ本格的な「錦秋」です。
どうかみなさま、それぞれの錦秋を公園で野山でそして食卓でお楽しみ下さい!
投稿者プロフィール
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料理教室「茶飯事会」主宰。食卓カウンセラー。ときどき、獣医師。
「ていねいな暮らしはちょっぴりていねいな日常茶飯事から」をコンセプトに、「おとなの飯事(ままごと)〜四季折々のばらずしの会」や季節のごはん教室、出張ごはん、など、誰かの食卓をシアワセにするためのお料理活動を展開中。
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